令和3年度の介護報酬改定に関する審議を重ねている社会保障審議会 介護給付費分科会が12月9日に開催され、最終段階ともいうべき「審議報告(案)」が示されました。大枠はこの内容をもとに報酬が改定されていきます。下記の資料をURLを記載しておりますので、詳細はご確認下さい。今回の審議報告(案)および今までの分科会での議論も踏まえた審議報告(案)の印象についてまとめます。
<評価できる事項>
①科学的根拠に基づく介護を推進していく姿勢(CHASE・VISITへの情報提供およびフィードバック、PDCAサイクルの実践)。
➁「口腔管理」と「栄養管理」を充実させ「機能訓練」とあわせて機能回復維持を展開する姿勢。
③介護職員の「質」を確保する姿勢(医療介護系資格を保有していない職員に対する「認知症基礎研修」修了の義務付け)。
<継続的な議論を要する事項>
①ICT、介護ロボットを活用することでの人員配置を緩和する取組みに関しては機器への信頼度、業務負担の軽減が明確でない点があり大きな進展はなかったように感じます。大きく進展させるためにはエビデンスとなる資料(サンプル数、信頼度、軽減割合)が必要と思われます。
➁サ高住併設介護事業所に関しては同一建物以外の利用者のサービス提供にも努めなければならないという努力規定に留まりました。同一建物内サービス提供と一般居宅におけるサービス提供においてはスキルと移動時間などの労力が大きく異なることは明らかであることから今後も報酬の在り方については協議されていく必要があると思います。
③訪問看護事業所におけるリハビリテーションの在り方について、分科会の中でも議論が分かれました。自宅でリハビリを受けたいというニーズを背景に訪問看護の一部としてリハビリテーションが提供されてきた事実がありますがリハビリが事業所が提供するサービスの大部分を占めるようになってしまうことには違和感を感じてしまいます。反面、医療機関にのみ訪問リハビリテーションの事業者資格があることにも現場に近い位置での自由な発想によるサービスが提供できないのではと感じてしまいます。
厚生労働省資料URL:https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000703126.pdf
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